・放射線治療(1)

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 ここでは放射線治療について説明していきます。

 

粒子線とは放射線のうち電子より重いもので、この粒子線を使った放射線治療のことを粒子線治療と呼びます。

実用化されている粒子線治療には、陽子線治療と、それより重い炭素線イオンを使う重粒子線治療があります。

 

粒子を加速器で光速の70%近くまで加速して、癌細胞にダメージを与えるハイテク治療です。

 


陽子線治療とは

 

 陽子線治療とは放射線治療の一種で、大きく分けるとX線、ガンマ線に代表される電磁波と陽子線・炭素線等の粒子線があります。

陽子線治療では水素の原子核(陽子)を粒子加速器のサイクロトロン、シンクロトロンを用いてエネルギーを高めて治療に用います。

 

陽子線治療は従来の放射線治療よりも副作用が軽く癌の病巣のみに集中した効果が出せて今まで治療が難しかった癌にも高い効果が期待できるものです。

X線の場合は皮膚の表面近くで放射線量が一番高く、身体の奥へ向かうほど低くなり病巣を越えても奥まで突き抜けてしまいます。

そのためにどうしても腫瘍の奧側にある正常組織を傷つけてしまい効率の良くない治療でした。

 

これに対し陽子線では特定の深さで高い放射線量を放出して、それより奧には達しない特徴があり、陽子線治療では、この深さや形をコントロールして腫瘍の大きさや形に合わせることで癌病巣に集中した治療が行えるものです。

腫瘍の奥側にある正常な組織に与える影響を抑えることができ、X線等に較べて副作用が少なくなります。

 

ポイントをまとめると

  • 癌細胞に効果を集中できるため正常組織や細胞への影響や副作用が少ない。
  • 放射線で障害を受けやすい組織の付近にある癌細胞にも効果をだせる可能性がある。
  • 体力的に手術ができない方への治療が可能である。
  •  組織の形態や機能を維持出来る為に治療後の生活に支障が少ない。

 


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重粒子線治療とは

 

 重粒子線治療ではシンクロトロンと呼ばれるリング型の加速器を用いて炭素線イオンを作り、エネルギーをさらに高めて治療に用います。

重粒子線はエネルギーの強弱に応じてある深さで急に強くなりますが、重粒子線のピークを癌に合わせることにより正常細胞への影響は最小限に抑えられます。

 

多くのエネルギーを与えて線量の作るピークをブラッグピークと呼び、その深さや大きさ、あるいは重粒子線を止める位置は、楔状のフィルターなどを使って自由に調節することが可能です。

電荷を持つ粒子線はある深さにおいて最も強く作用するということと、一定の深さ以上には進まないという特性があります。

 

また、重粒子線は酸素が不足状態にある細胞に対しても、効果を酸素が十分にある状態の場合と同じように発揮して細胞を死滅させることができます。

 

ポイントをまとめると

  • 陽子線よりも更に放射線量の集中性が優れている。
  • 陽子線より癌細胞の殺傷効果が2~3倍もある。
  • 放射線抵抗性癌に対する効果がある。
  • 分割照射回数が陽子線治療よりも少ない。

 


上記の粒子線治療に共通する特徴

 

  • 痛みがない
  • 臓器の機能や体の形態にの欠損が少ない
  • 傷跡が残らない
  • 副作用が少なく高齢者にも適用できる
  • X線では治療困難な深部の癌にも治療可能

 


適用となる疾患

  • 脳腫瘍
  • 頭頚部癌
  • 食道癌
  • 肺癌
  • 肝臓癌
  • 膵臓癌
  • 直腸癌
  • 前立腺癌
  • 子宮癌等

 


適用されない疾患

  • 白血病等全身に広がっている癌
  • 胃癌、大腸癌等の蠕動運動を伴う臓器の癌
  • すでに良好な治療法が確立している癌
  • 全身に転移している癌

 

 

陽子線治療、重粒子線治療等の上記のものは保険適用が効かない自由診療で、治療費用はいずれも300万円ほどと高く重粒子線の方が若干高いものです。

さらに国内で重粒子線治療が受けられる施設が少ないのです。

 


高精度放射線治療とは

 

  • IMRT(強度変調放射線治療)

 放射線の量を変化させることで、腫瘍の形が不整形で複雑な場合や腫瘍の近くに正常組織が隣接している場合でも、多くの放射線を腫瘍に当てることが可能で、周囲の正常組織に当たる放射線の量を最小限に抑えながら癌治療を行うことができるものです。

多方向から強弱をつけた放射線を腫瘍部分に集中して照射することにより、正常な細胞の損傷を最小限に抑えながら理想的な放射線量を照射できるものです。

 

  • SBRT(体幹部定位放射線治療)

 従来の放射線治療と違い3次元的に多方向から放射線をあてる治療で、多くの放射線(通常の放射線治療では1日2Gyですが、SBRTでは5Gy~12Gy)を癌腫瘍に対してピンポイントに当てることが可能で治療効果が高く大きな副作用のないものです。

 

  • IGRT(画像誘導放射線治療)

 高精度放射線治療等の治療のときに補助技術として行うもので、正常組織への副作用を最小限にとどめながら効率的に癌細胞を攻撃していく治療法です。

位置合わせ専用装置を搭載しており、治療の寝台に寝ている患者の正面と側面のkV-X線画像を撮影することで、患者の寝ている位置を理想の場所へと移動させます。

装置はCTを撮影することも可能であり、kV-X線画像(レントゲン)では見えにくい軟組織による位置合わせも可能にします。

 

 

 

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